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何を望み、何を得、何を失い、何を求めているのか?


いのちある限り、未来は救える。未来は変えられる。
過去にとらわれ、足がすくむことがあっても、一歩ずつ前に踏み出せばいい。

未練や原因や憎しみ、全てが消えてしまえばいい。
一から、またやり直せばいい。だけど、そう簡単に人は前を向けない。
いつだって、何かのしがらみがあり、記憶という過去を振り払えない。

ほんの少し、ほんの少しの勇気がなかった。
そして、先を考えるだけの余裕も、信頼も…。

大事な人が頼っている人を頼った。
そこに、悪意はなく、責任もないはずだった。
彼女の自業自得といってしまえば、それだけのはずだった。

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折原を恨めば、それだけでいい。
全ての責任を誰かになすりつけて、自分は平然としているなんて、
言葉では容易く感じるかもしれないが、罪悪感がその邪魔をする。

そして、沙樹は折原を今も信頼し続けている。
純真無垢な微笑みで、彼を尊敬し、心の片隅のすごい人という位置づけは
変わらないし、紀田に対する愛も変わらない。

結果や経緯が全てではない。気持ちだけでも嬉しい。
動いてくれたことが嬉しい。そんな彼女の気持ちを知ってはいるんだけど、
見えない何かが沙樹と紀田の間に挟まっている。

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そんな紀田を後ろから押してくれるようなドタチンの優しさに惚れた。
正義のヒーロー面しているわけでもない。

純粋に倫理から外れたことが嫌いなこのグループ。
このワゴン車の中にはカッコイイ奴らが詰まっている。
だけど、そこをカッコよく描かない、この作品のさりげなさがとても好きだ。

そして、いつかは、紀田も堂々と沙樹の前で、胸張って、軽い話を出来る日が
来るのだろうか? いや、彼の場合は軽い話は、ただの道化で、
常人以上にマジメな話をすることができるのかもしれない。

また、折原は何を考えているのか?

自分を慕ってくる人間をただのコマとしてしか考えていないのは、
前々からわかっていたけど、時々、彼女の病室に顔をだすということは、
それなりに、人間に対する愛着がわいたのかもしれないね。
 
デュラララ!! (電撃文庫 (0917))デュラララ!! (電撃文庫 (0917))

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