この感想は他ブロガーさんの感想を読んでみて、勝手に思ったことを
書いている戯言です。読んでもいいし、読まなくてもいい。そんな雑感。

今回は「とある科学の超電磁砲」の第24話(最終回)の感想から。

別に内容が悪かったわけではない。
素直に感動したし、アクションシーンのすごさにはしびれた。
そんな秀逸した作品だけに、あえて、細かい点が目についてしまう。

そんな、あまのじゃく。
今後の伸び白を考えたときに、こういう見方も必要だろう。

蒼碧白闇さん

今回のようなことを引き起こしたりするあの都市の暗部とも言える部分があることも承知であの都市を肯定するというのが彼女たちの答えな感じ。

リスクをはらみつつも、学園都市を守った美琴たち。
彼女たちの狙いと、テレスティーナの狙いは異なるものだった。
学園都市を守りたい美琴たちと、学園都市ごと消滅させたいテレスティーナ。

美琴は実験に使われ、能力重視の学園都市が嫌いなはず。
でも、そこは初春や佐天さんたちとの日常に少しずつ幸せを見出してきて、
美琴の心は少しずつ変化してきた。

それに対して、テレスティーナは守ろうとしてくれる人、守ろうと思える人が
いなかった。ただ、それだけの違い。その違いをもっとうまく魅せれたと思う。

メルクマールさん

実際のところ、普通の学校だって、”社会の歯車として働くためのパーツの製造工場”と言ってしまえばそれまでです。”一人一人の自己実現”というタテマエと、”全体の一部として役に立たせる”というホンネは常に表裏一体。会社なんかもそうですね。だからといってクサるか、あるいはそのシステムの中で自分らしさを伸ばそうとするかは、その人次第です。気の持ちよう、とも言えます。

その学園都市で何を見いだせるかが個人の問題というメルクマールさんの
意見は真っ当な考え方だと思う。環境が悪いから、と人のせいには出来ない。

社会全体に憎しみを持ってしまうか、個人の感情論になるか、
それは権威を持つ人の苦悩でもあり、権利を得ることによる慢心でもある。

そこから、ピラミッド社会に対して、どう考え、何を楽しみにしていくか、
歯車の一部としてではなく、それぞれの生きがいを見つけ出して欲しいと思った。

よう来なさった!さん

まぁテレスティーナが小物化してしまいストーリー展開に興味が惹かれなくなってしまったし、内容は王道な展開だったけど、言うほどは悪くはなかったかな。美琴も大活躍でそれなりに盛り上がったし。ただあまり思うところは無かったけど。

この意見に少しだけ共感できる部分があるんですよね。
テレスティーナの小物化はもう少しうまく表現できるはず。
アクションは良かったけど、終盤のストーリー展開には少しだけ疑問が残ります。

1番の不満は美琴の主役としての描き方なんだけど、他のキャラに食われてしまい明らかな役者不足なんですよね。

で、その美琴なんだけど、心理描写がレベルアッパー編に比べて、少し雑になって、
美琴に対しての魅力が半減したのがいたかった。それは主人公としての心情では
なく、佐天さんと同様に美琴の想いというのを表面化させて欲しかった。

アニメを考えるブログさん

とりあえず、前回の急激な豹変は残念でした。正直、味気ないです。
カミングアウトが急激であることの作品上の理由も特に見られないですね。

テレスティーナの豹変については同意を得られて嬉しいですね。
味気ないという言葉が正しいのかどうかわからないけれど、
テレスティーナの心情を考えると、心が破綻しているのは確か。

自分たちの現実を大事にして、他人とともに生きている美琴たちに対して、自分の現実を卑下し他人を拒絶するテレスティーナという構図が見えます

で、そこからの結論で、こういった形で理解しようとする姿勢が素敵です。
まあ、言ってしまえば、逆恨みなんですけどね。

その逆恨みには、大好きな祖父から実験体にされた深い事情を考慮するに、
木山と同様の、テレスティーナの苦悩を描いて欲しかったです。

綺羅のキラッ★さん

正義と正義の対立。自分にとっての正義が他人の正義であるとは限りません。これはどんな事件や物語にでもいえることであり、普遍のテーマでもあります。結局はお互いの正義をどうすり合わせるかなのですが、落としどころを探ることがポイントとなってきますね。

個々人の正義の認識の違いについては「とある研修」の話で、
初春と黒子のすり合わせが行われて、かなり楽しい話だったと思う。

だけど、美琴は誰とも正義感のすり合わせをしていない所に少しだけ、
もったいなさを感じてしまうんだ。悪を倒すことではなく、その人の悪や正義を、
感じ取り、木山と同じようにすり合わせる。そこに未来があるんじゃないか。

真相はいまだ闇の中ですが、彼女なりの正義を示して欲しかったですね。

だからこそ、テレスティーナの心情が雑に扱われてしまったことが残念で、
勧善懲悪という形で、悪人扱いされてしまったことが可哀想でならない。
きっと、もう少し、尺があれば、彼女の正義感というものがわかったはずなのに。

物理的領域の因果的閉包性さん

チャイルドエラーにも夢という希望を与えて、人間としての希望まで授けた木山春生が
他の誰よりも人間らしく、能力以上の希望を与えることが出来たのは
学園都市がそこにあって、科学がそこにあって、誰よりも真っ直ぐな現実を見つめていたからだ。

だけど、最後には希望を見せて終わってくれた。
そこだけは賞賛に値するラストだと思っている。

能力に依存するのではなく、最後は感情で、人間の心理を重視した、アクション。
何も、最後には勇気と根性が勝るってわけではないけれど、
能力ではなく、気持ちを大事にした本作品はやはり素晴らしい出来だといえる。