とあるクマのある先生と純粋な生徒の愛情に溢れた物語。
あらかじめ断っておきますけれど、
私は単純な勧善懲悪ものは好きではありません。
黒幕が表れ、悪が表面化し、その悪を倒せば、全てが万事解決。
今まで完全な悪役がいなかっただけに、これは惜しい点だと思っている。
美琴と黒子の超合わせ技、佐天さんの無能力ゆえの活躍。
そういった素晴らしいアクションや葛藤を描いている素晴らしさゆえに、
この作品の終わり方としてはふさわしくない展開だったとも思える。
問題は木原だけなんだよね。木原の豹変ぶりさえなければ、
ストーリーも問題なく進んでいて、美しい物語で終わっていた。
でも、最終回を見終わったあとでも、木山せんせいのエピソードは、
美琴と対決したままで終わっても美しいと思っている。
そこを描くからには、その美しさを超えるシナリオがなくてはならない。
想い出は美化され、先の知らないことは視聴者の発想に委ねられる。
無理矢理、ハッピーエンドにしなくてもいい、その理由。
だから、今回の件は描かないままにして欲しかったというのが正直な所。
物事は複雑であり、ただ単に悪が一つではなく、正義も一つではない。
悪は罰せられるべきだし、善は褒められる。それでいい。
だけど、その善悪というのは、個々人それぞれにあるものだし、
自分の中の悪を、自分で排除する正義感を、この作品は魅せてくれた。
その部分は佐天さんの無能力からの能力の獲得。
レベルアッパー編で描かれた。自分の弱さと闘っていく覚悟。
これからの佐天さんの道のりは険しいものだと思う。
悪は少し排除できても、完全に排除できないからだ。人間の罪深さでもある。
人は誰しも間違いがある。完全な人間なんていない。
木原のように、今まで完全に全てが全て、悪である人間はいなかった。
時に間違い、時にくじけ、時に悪に屈することもあるだろう。
だけど、その間違いを正して、自分だけの現実を取り戻す。
それが本作の描きたい部分でもあったテーマだと思う。
だからこそ、木山せんせいはデュアルスキルを手に入れて、自分の願望を
満たそうとした。だけど、それは全てが正しい選択ではなかった。
犠牲者を出さないようにしていたつもりが、犠牲者を生み出してしまった。
そのことに後悔し、最善の策を見つけようと暗中模索した。
その姿に心うたれるものがあったので、個人の葛藤の描き方は素晴らしいと思える。
そして、今回の美琴である。
彼女が選択した道は、木山ではなく、木原に従ったこと。
別にその時点では間違ったことではなかった。
一番、安心出来るところへ。一番、信頼できるところへ。
だけど、結果的に間違ってしまった。
そのことについて謝ったこと。そこに注目したいと思う。
正義である主人公の描く想像というのは、いつでも正しく、
いつでも信念を貫き通すものでなくてはならない。
それこそ、黒子みたいに正義感の固まりであるかのような信念。
それがヒーロー物に課された命題でもある気がしていたんだ。
でも、美琴はあくまで信用できなかった木山を、
自分にとって悪であった木山に対して謝った。
これが普通の回であったならともかく、最終回である。
ある意味では、主役をゆずるようなもの。最後に主役であることを翻した。
その間違いに気づいて、詫びる美琴を見るのは、性格的にかなり珍しい。
そして、木山は快く許した。美琴の立場を理解して…。
そういう意味では、この作品は美琴の物語ではなく、木山の物語なんだろうな。
彼女が目の下にくまを作りながら、必死に生徒を取り戻そうとした。
その純粋で無垢な彼女の最初の気持ちを汲んであげることはしてあげたい。
そして、美琴や黒子、初春、佐天の物語は続いていく。
別れを描くことはなく、こういった非日常の出来事も普通の出来事として…。
私は単純な勧善懲悪ものは好きではありません。
黒幕が表れ、悪が表面化し、その悪を倒せば、全てが万事解決。
今まで完全な悪役がいなかっただけに、これは惜しい点だと思っている。
美琴と黒子の超合わせ技、佐天さんの無能力ゆえの活躍。
そういった素晴らしいアクションや葛藤を描いている素晴らしさゆえに、
この作品の終わり方としてはふさわしくない展開だったとも思える。
問題は木原だけなんだよね。木原の豹変ぶりさえなければ、
ストーリーも問題なく進んでいて、美しい物語で終わっていた。
でも、最終回を見終わったあとでも、木山せんせいのエピソードは、
美琴と対決したままで終わっても美しいと思っている。
そこを描くからには、その美しさを超えるシナリオがなくてはならない。
想い出は美化され、先の知らないことは視聴者の発想に委ねられる。
無理矢理、ハッピーエンドにしなくてもいい、その理由。
だから、今回の件は描かないままにして欲しかったというのが正直な所。
物事は複雑であり、ただ単に悪が一つではなく、正義も一つではない。
悪は罰せられるべきだし、善は褒められる。それでいい。
だけど、その善悪というのは、個々人それぞれにあるものだし、
自分の中の悪を、自分で排除する正義感を、この作品は魅せてくれた。
その部分は佐天さんの無能力からの能力の獲得。
レベルアッパー編で描かれた。自分の弱さと闘っていく覚悟。
これからの佐天さんの道のりは険しいものだと思う。
悪は少し排除できても、完全に排除できないからだ。人間の罪深さでもある。
人は誰しも間違いがある。完全な人間なんていない。
木原のように、今まで完全に全てが全て、悪である人間はいなかった。
時に間違い、時にくじけ、時に悪に屈することもあるだろう。
だけど、その間違いを正して、自分だけの現実を取り戻す。
それが本作の描きたい部分でもあったテーマだと思う。
だからこそ、木山せんせいはデュアルスキルを手に入れて、自分の願望を
満たそうとした。だけど、それは全てが正しい選択ではなかった。
犠牲者を出さないようにしていたつもりが、犠牲者を生み出してしまった。
そのことに後悔し、最善の策を見つけようと暗中模索した。
その姿に心うたれるものがあったので、個人の葛藤の描き方は素晴らしいと思える。
そして、今回の美琴である。
彼女が選択した道は、木山ではなく、木原に従ったこと。
別にその時点では間違ったことではなかった。
一番、安心出来るところへ。一番、信頼できるところへ。
だけど、結果的に間違ってしまった。
そのことについて謝ったこと。そこに注目したいと思う。
正義である主人公の描く想像というのは、いつでも正しく、
いつでも信念を貫き通すものでなくてはならない。
それこそ、黒子みたいに正義感の固まりであるかのような信念。
それがヒーロー物に課された命題でもある気がしていたんだ。
でも、美琴はあくまで信用できなかった木山を、
自分にとって悪であった木山に対して謝った。
これが普通の回であったならともかく、最終回である。
ある意味では、主役をゆずるようなもの。最後に主役であることを翻した。
その間違いに気づいて、詫びる美琴を見るのは、性格的にかなり珍しい。
そして、木山は快く許した。美琴の立場を理解して…。
そういう意味では、この作品は美琴の物語ではなく、木山の物語なんだろうな。
彼女が目の下にくまを作りながら、必死に生徒を取り戻そうとした。
その純粋で無垢な彼女の最初の気持ちを汲んであげることはしてあげたい。
そして、美琴や黒子、初春、佐天の物語は続いていく。
別れを描くことはなく、こういった非日常の出来事も普通の出来事として…。