おおかみかくし11-1おおかみかくし11-2

自分を見つめ直し、自制を働かせることの大切さ。


ダムの決壊ではなくて、放水だったか。
ボタン一つで、町を飲み込むような濁流が流れるなら、
もう少し、厳重管理して欲しいものですね。

あと、ここにきて、何も知り得ない博士がまとめに入ったことに笑えた。
ここは、かなめが語れば、もっと美しく終われたであろう。
語る人が違うだけで、どうにも説得力の感じない結論になりえるんだなぁ。

と、どうでもいいことに、目がいってしまう本作。
別に面白くないわけではない。でも、面白いわけではない。
あれ、クライマックスで最終回付近なのに、なに、この不安感w。

まだ、不安と期待が入り交じっているのはなぜだろう、なぜだろう?
どうにも腑に落ちない点が多すぎるんだよね。

脚本が全て悪いわけではないと思う。
視点を変えて、賢木の物語とするならば、「化け物」「化け物」と恐れている
様子がどうにも滑稽で仕方ない。

眠たちは、自分たちの掟で人を襲わないようにしているのに対し、
賢木は自分自身が銃やナイフを所持して、自分の保身から、いつの間にか、
自分が人や人狼に対しての「化け物」になってしまった、その狂乱さ。

おおかみかくし11-3おおかみかくし11-4
事実を知り得た。そこまでは正しかった。
そこからの言動が少数派の意見として、まかり通らない現実に苦悩して、
自分だけの正義感の歯車が狂ってしまった。

別に復讐の先に待ち受けているものが、達成感とは相反する虚無感や絶望で
あることを彼は知らない。知る前に死ぬ事で救われたという事かもしれない。
(本当の意味で彼を救ってあげて欲しかったのだが、少々無理が過ぎた)

眠たちに銃を突きつけての挙動は、自分自身の正義感を盾に、
ただ一つの充足感を、満足感を、自己満足であるセカイを皆に突きつけて
いるかのようで、さながら、銀行強盗の犯人のようだ。

俺の境遇が悪いのは、みんなお前らのせいだ。
政府が悪い。雇用者が悪い。社会が悪い。自分以外の全ては悪だ。
そう結論づけてしまってからは、立ち直るのは難しいです。

だから、自分の身を捧げての香織の行動には、美しさを感じるが、
社会悪の末路として、罪のない人間が消えていくのには、幾許かの、
悔しさや悲しみを感じる。

その悲しみと共に日々を生きていく。
現状は、昔とほとんど何も変わらない、つらい日々の延長線上。

これからの人狼である眠と、人間である博士の仲を良くさせることで、
見解や人種を異にする中での共存の道を彼らは探し続けるのだろう。