世界観
[恋愛][日常][植物][料理][シリアス]
あらすじ
男の子に美少女が落ちてくるなら女の子にもイケメンが落ちてきて何が悪い!ある日道端に落ちていた好みの男子。「樹木の樹って書いてイツキと読むんだ」。野に育つ草花に託して語られる、最新にして最強の恋愛小説!
短文感想(ネタバレなし)
あぁ、なんて、面白い物語。
いや、面白いなんて書くと失礼に当たるくらいに、美しい物語。
ほんの日常を描いただけなのに、異世界に迷い込んだよう。
あらすじとしては、女性が行き倒れの男性を拾った話から二人のストーリーが
始まるわけですが、この二人の会話や生活、そういったものが何故か
輝いて見える。ただの恋愛物語ではない日常を穏やかにさせるストーリー。
植物図鑑、このタイトルが示すとおりに、植物に関しての情報が色々、
出てくるわけですが、その植物の由来とか、背景とかを話しながら、
二人の会話を聞いているだけで、何故か幸せな気分になる。
ツカミはありきたりに見えるかもしれないが、この作品こそが、
内容勝負って感じです。有川浩の図書館戦争の恋愛パートの進行形で、
二人の関係がどうしても、くすぐったくも、微笑ましい光景に憧れる。
かわいらしい女性にかわいらしい男性。
どちらも純粋素朴でありながらも、どこか不安定な部分がある。
その不安定さの上で、重ねられる二人の軽くて密な関係。
それが心の奥底まで響いて、憧れに近い感情を抱くぐらいに、
理想的な関係を築きつつあるので、そこにワクワクしながらも、
ラストまでの予想のつかない展開に読み進めるのが止まらなかった。
言葉の語彙が少ないので、ラストは感動するといっただけでは伝わりにくい。
それだけ、練りこまれたストーリーと伏線に、ただただ、唖然とするしかない。
あくまで自然でありながらも、自然と落ち着くラストに感服でした。
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