ソ・ラ・ノ・ヲ・ト4-1ソ・ラ・ノ・ヲ・ト4-2

深く考えてしまったけど、素直に感じればいいんだ、音も心も。


実を言うと、戦争についてはそれほど描かないと思ったんですよ。
だからこそ、戦争孤児を出して、戦争の名残を魅せる展開になるとは思わなかった。
これは面白い試み。ここでようやく、兵隊としての自覚がカナタに生まれる。

自分がどんな立場の人間か、まだ自覚していなかったと思うんですよ。
祭りでは道草くって遊んじゃうし、そして、少女との再会に胸はずませていたり、
と、いつでも日常が楽しくてたまらないカナタそのもの。

それはとても良い性格だと思うんです。
だけど、その明るくて無邪気な性格では、戦争孤児になって寂しい思いをしている
子供たちの気持ちをどれだけ理解出来るか。

あくまで軍人であることの意味や意義について深く考えるならば、
そういった不幸な境遇の子供を作ることや、人を殺めるのが普通な世界にいることを、
実感するのは、かなり酷な話だと思う。

だから、リオは教会が嫌いだと思っているのかも知れませんね。
いや、嫌いというよりも苦手といったほうが正しいか。

そんな子供たちに好かれることは絶対ない上に、自分の職を知れば、
子供たちが自分の境遇を思い出して、嘆き悲しむことになることは、
リオも承知のはず。

きっと、そういった子供たちへの感情移入ができてしまうほどに、
リオの心は軍事としては弱い。だけど、人としての優しさだと感じれば、
みんな良い子たちなんだと思う。


ソ・ラ・ノ・ヲ・ト4-3ソ・ラ・ノ・ヲ・ト4-5
「もっと怖いのは機械じゃなくて、それを使っていた人たち」

あぁ、こういうセリフが言えるまでにカナタは見えない所で成長していたんだね。

だけど、ちょっと違う気がするんですよね。
使っていた人もそうだけど、それを命令した人、それを作った人も怖いと思う。

戦争に直接関わっていなくても、間接的に関わっていれば、それは殺人行為。
人を殺めるのが自分じゃなくて、機械ってだけで、その機械を使って、人を殺す。
そうやって、殺された人の恨みは軍人だけにいくかもしれない。

だけど、兵器を作っているということは、それがいつか、人を殺めるのかも
知れないという罪悪感を背負って、兵器を作っているんだろう。

でも、自分の手で殺していないという免罪符をもっているつもりなんだろうけど、
やっぱり、間接的に関わっていることに目を背けてはいけないと思う。

だから、ノエルはそうやって、タケミカヅチを修理して使えるようにすることに、
ちょっとした罪悪感を抱いているんだろう。顔は平然としていても、
心はかなり揺れ動いている、ノエルのその気持ちが晴れる日はくるのだろうか。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト4-6ソ・ラ・ノ・ヲ・ト4-4
とまあ、堅い話は抜きにして、今回のガラス工房編はかなり大好きな構成だった。
戦争孤児から戦争を、それに対するノエルの気持ち、そして、ラストのカナタの耳。

今回はそのラッパが吹けるようになったカナタの成長を見てあげるべきだと、
思うんですよ。カナタの技術と努力は相当なモノだった。
だけど、伸び悩んでいる理由。それを解消するために音と自然に接するということ。

全然吹けていなかったのに、吹けるようになるまで、簡単に描きすぎじゃない?
という声が聞こえてきそうですが、元々、絶対音感という才能もあったし、
練習量も半端ないくらいにやっているという会話もあったしね。

そんな才能と努力にあとは、自分の精神的な弱ささえ克服出来れば、
一気に花開く、そんな感じだったと思うんです。だから、暗譜も出来ていて、
コツさえつかめば、あとは惰性でなんとかなる。

音楽家で一番最初に大事なのは、指の使い方でも、感性の豊かさでも、
絶対音感という才能でもないんですよね。音を正確に聞き取れる耳が大事なんです。
あとは、その耳に頼って、日々努力し、才能を鍛える。

ただ、それだけのこと。
まあ、例外として、ベートーベンは耳が聞こえなくなっても、音楽家として、
続けることができたけど、それは今までのイメージが出来ていたからだと思う。

そんなカナタの耳が役立った、今回の話。
小難しく考えてしまったけど、素直に、ストーリーの良さに心奪われたので、
何も考えなくても、きっと思い切り楽しめたと思うくらい上手い話でした。