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人は逆境に直面したときに真価が問われる。


それぞれの逆境。誰もがつらくて、誰もが苦しんで…。
頼るべき人がいない中、自分自身を奮い立たせながら、壁に立ち向かう。

心の強さというのかね。
世間一般からチヤホヤされている時期と、世間から非難されている時期。
そういうことが、この業界では普通で、それで消えていく人も何人もいて。

でも、決して、それは弱さではなく、人間らしさとして、支えてきた人からの裏切り
にも見える、そのギャップには、どうしても、心が耐えられなくて。

そんな意味では、緒方英二が、この2クール目では主人公だと思っています。
冬弥の恋愛での心の揺れ具合やヘタレ具合は1クール目で大きく扱われたので、
それほど大きな意味を持つものはなく、修羅場をどう収拾つけるかだけが気になる。

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だけど、緒方英二は最初は、何もかもが味方で、何もかもうまくいっていた。
自らの才能にあぐらをかいているような順風満帆な人生であったはずだ。

その人生からの転落。
たった一つの絵から、何もかも失って、転げ落ちていくかのような転落人生。
ついには、慰めにきた、由綺の心までねだるようになって…。

人は悪い環境から良い環境に映る分には問題ないけど、良い環境にいて、
悪い環境になったときに、耐えられない場合が多い。
幸せを経験すれば、また、その幸せは簡単に手に入ると思い始める。

短い期間の楽しみを思い出にできずに、いつまでもすがりつく。
だけど、それが、底辺から立ち上がっていく人の強さでもあって、
どれが正しくて、何が間違っているのかわからない。

だからこそ、最終回に向けての緒方英二の選択には気を配りたい所。

逆に、放置されて飼い殺しされていた理奈の反発。
それは真っ向から勝負を挑むもので、今までの鬱憤を晴らすような熱意。
誰かに頼らずとも、自ら打開していく強さ。

この強さが兄との対比になっていて、なんともいえない気持ちになる。

そういう意味ではこの作品の中で描きたい理奈という存在は、
冬弥を抜きにして、苦しみ悲しみ全てを飲み込みながらも、
強く立ち向かっていく根性に注目して欲しいのかもしれない。