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今週も泣かせてくれました。主に吉田と矢野の自然さが…。


泣かせにきているのはわかっている。十分にわかっているんだよ。

犬を介して爽子と仲良くなろうとしている風早。爽子の隣の席になろうとする所も。わかっているんだけど、爽子の気持ちが自分の心とリンクして、溢れ出す寂しさや楽しさや感動を、ここぞとばかりに押し込んでくる。

その切ない気持ちが映像と音楽と相まって、感動へとつながる。

とにかく、風早の飾り気のない笑顔とカッコ良さがたまらないですよね。心の底から笑っていると感じられるような笑顔って、そうそう簡単にできるものじゃない。生まれついてのものかもしれないし、努力してそうなったのかもしれない。

だからこそ、爽子もうらやましいとかではなく、憧れに置き換えて、風早を見ている。自分もああいう笑顔を見せたい、周りも笑ってくれるような空気にしたい。

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だけど、憧れと現実は残酷なほどに遠くて、爽子の胸に突き刺さる。その残酷さに対しても、風早という後押しがあったことで、少しずつ前を向いて、立ち向かっている爽子の姿勢を評価してあげてほしい。

そういう意味では、吉田と矢野の二人は、少しだけ、爽子の気持ちに気付いてあげられたという意味では、風早以上に良い結果を生んだのかも知れない。

爽子の置かれている状況で一番辛いのは、好きな男子と一緒にいたいという贅沢な気持ちではなく、普通の生活をしたい、誰とも屈託なく話せたらという、そんな誰もが与えられているような環境にいない点なんですよね。

異性からだけでなく、同性からも好かれない。友達のいない状況というのはつらい。頼れる人、一緒に喜びを分かち合える人、悲しみを共有する人がそばにいない。

だから、風早も、そういった境遇の爽子の努力をみんなにも知ってもらいたくて、行動で表していたんだと思う。その気持ちが伝染して、吉田と矢野が気づいて龍というモブキャラだった新キャラまでもがわかってきている空気に。

風早のそれが、ただの恋愛感情だけで動いているのではないと。だからこそ、清々しいんですよね。爽子は風早だけに好かれたいんじゃなく、みんなから好かれたいと純粋に心から願っているのがわかるからね。

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口に出さなくても、爽子のそばにいたい。

今までは、そばにいたくないというのをネタにされて、それがみんなの話題作りのためになるならと犠牲を払ってきた爽子。だけど、人の優しさに気づいてしまったあとでは、やっぱり、心に響くものがある。

そんな、みんなの気持ちを凌駕してあまりあるくらいに、風早の圧倒的な行動力と、吉田と矢野の押し付けない優しさ。爽子に気づかせないように振舞う自然さ。

そんな爽子が望んでいた関係を笑顔一つで、風早が提供してくれたと、爽子は思っているでしょうが、その爽子の謙遜さと努力が実を結んだんだと、自分を評価していいと思うよ。

きっとその気持ちの一つとして「君に届け」なんでしょうね。

爽子は自己卑下している分、被害は増大しないけど、これは軽いいじめですよ。そんないじめの中で揺るぎない信念と、暗く考えない強靭な心があるからこそ、雰囲気が柔らかくなっているだけであって、考え方によっては登校拒否レベル。

そんな、みじめさや悲しさを、胸の奥に隠しながらも、前を向いて固く立ってきた、爽子がやっと報われた席替えのワンシーンに、本当、涙がでてきましたよ。

ラストの光差す窓際の席の5人のカットが、かなりお気に入りです。

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