ブログネタ
ライトノベル に参加中!
アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)
川原 礫
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 47937

世界観

[ゲーム][仮想現実][リアル][学園]

あらすじ

どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。デブな中学生・ハルユキもその一人だった。彼が唯一心を安らげる時間は、学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。仮想の自分を使って“速さ”を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。季節は秋。相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、校内一の美貌と気品を持つ少女“黒雪姫”との出会いによって、彼の人生は一変する。少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは“加速世界”の存在を知る。それは、中学内格差の最底辺である彼が、姫を護る騎士“バーストリンカー”となった瞬間だった。ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家が、ついに電撃大賞「大賞」受賞しデビュー!実力派が描く未来系青春エンタテイメント登場。

短文感想(ネタバレなし)


良くも悪くも過去の電撃文庫の”大賞”作と同じといった所。

読みやすい文章に、馴染みのない近未来的な世界観。
そして、ストーリー展開はわかりやすい王道。
ラストにかけて、盛り上げて、お手本のような終わり方をする。
だから、読了感はいいんですけどね。

ただ、それだけといった印象。
だから、文章力はあるけど、オリジナルを作るような将来性としては、
それほど期待できない作家かもしれません。

それと気になるのは、主人公がいじめられている理由。

外見が太っているせいだと、本人は思っているが、いつかは残虐的な仕打ちで、
仕返ししてやりたいという過激さと、常に思考が卑屈になっていて、
全てにおいてマイナス思考である点が問題なんだと思う。

もはや、現実よりもゲームという仮想世界に逃げ出したくて
たまらない、そんな現実逃避。それが最後まで続く。

だからこそ、主人公に感情移入できずに、終わってしまった印象。
成長物語として、ストーリーが進むごとに、少しは成長してくれると思っていたの
ですが、それがないので、きっと仮想世界としての奇抜さ重視なんでしょうね。

そして、女性陣の心がどうしても腑に落ちない点が多い。
なぜに、こういう心境に変わったのかは描かれずに、ただ、結果だけが
読者を喜ばせるために、用意されたのかのよう。

だから、人としの細かい心理描写や、複雑な気持ちの変遷といったものがなく、
淡々とバーチャル世界での様子を描いたドキュメントに近いです。

思い出したのが、「私がいないとみんな死んじゃうの」というネトゲに
はまった人のセリフです。本当、バーチャルという世界の恐ろしさを感じましたし、
その中毒性を正当化するような本作に少しだけ納得できない部分もありました。

アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)

ソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド (電撃文庫) アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫) ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫) 境界線上のホライゾン2〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫) ロウきゅーぶ!〈2〉 (電撃文庫)

by G-Tools