涼宮ハルヒの憂鬱24-1涼宮ハルヒの憂鬱24-2

SOS団内部での微妙なもつれとキョンの真実探し。


シャミセンがシャミセンたる猫になった回。
そして、シャミセンではなくなった回。どっちなんだ!

シャミセンがしゃべったときのキョンの顔がなんともおかしいんだがw。
しかし、こやつは渋い声の持ち主でw。しかも、何気に深い事をおっしゃる。

会話していて、それが成り立っているか、成り立っていないのかは、
なんというか、コミュニケーションの問題として、議論できそうな話題だな。

意思伝達ができていなければ、それは会話ではなく、偶然、発した言葉が、
相手に伝わったと思っての勘違いに過ぎない。

誰にとっても、コミュニケーションは人間同士でも多少なりとも難しいものだ。

とまあ、シャミセンを端に発したSOS団見解分岐。

みくるちゃんの口から古泉を信用しないでという言葉が出るとはね。

SOS団はハルヒを元凶として、不思議が起こった場合には、
キョンが長門に救いを求めて、古泉が解説して、みくるちゃんがてんやわんやする
という構図が出来上がっていただけに、これが崩れそうな分裂。

それぞれの言い分は正しいと思うので、キョンが誰を信用するかですね。

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古泉はいつものごとく、ハルヒ神様説で、ハルヒが思えば世界が変わる。
そして、ハルヒがフィクションを信じ込むことで世界が終わる可能性の危惧。

みくるちゃんは、現実を変えることはできるけど、世界全体を変えてしまう
という能力まではない、与えられていないのでは、という見解。

世界は構築されてから、そのまま変わっていない。
ただ、その中ではハルヒはその異常を感じ取ることができるだけという見方。

これは未来人というみくるちゃんならではの発想。
ハルヒが世界を全て変えてしまったのなら、みくるちゃんはいないわけだしね。

そして、長門は、みくるちゃんの見解に加えて、
ハルヒが異常を感知は出来ても、認識できず、そのファンタジー要素に
気づいたとしても何ら変わりはない
んではないか、というもの。

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これをまとめると、古泉とみくるちゃんは対立。
長門は少しみくるちゃん側であるけど、中立。少し古泉を疑っている。
そして、それだけでなく、キョンの知らない色々な見解が渦を巻いている。

さて、この中でキョンの立ち位置はどうなるのだろう?
その中で真実はどこにあるのだろう?


古泉とみくるちゃんの対立はかなりひどい。
この二人の会話がほとんどないのは、そのせいか。

みくるちゃんは、古泉を信用しないで、と。
信用しすぎないで、じゃなく、古泉の言っていることを全否定。

古泉は古泉で、みくるちゃんが、その愛くるしさで、
ハルヒのキーパソンであるキョンを何とかして、自分の手中の中に収めたい
という魂胆が見え隠れして、なんとも不快な存在なのでしょう。

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ハルヒ「あたしも手伝うから」


だけど、そんなキョンの葛藤を吹き飛ばしてしまいそうなハルヒの寝顔。
あぁ、こういう、こっぱずかしいセリフも言えるように
なったハルヒに、もう、動物を愛玩する以上のかわいさを覚えたわ。

いつもは上から目線で、映画がうまくまとまらないのはキョンのせいだ。

とばかりに、説教口調のハルヒですが、前回ので懲りたのか、
今回はこのセリフを言ったときにはしゃがんで、下から頼み込むような
ハルヒのかわいさといったらもう、抱きしめたいくらいですよw。


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と、まあ、文化祭も無事終えて、世界はまた元通り。

そんな日常とは違った面白い世界を味わっているキョンとしては、
みくるちゃんや長門が、ハルヒに不思議について話しても問題ないというのを
信用して、伝えたい気持ち。

ハルヒに少しばかり、自分が楽しんでいる状況を教えてあげたい
という気持ちがなんとも、日常に変化を求めている者同士、馬が合う。


しかし、ハルヒの発想は突飛だけど、あくまで、現実を見つめる一般人であって、
常識に対して、普通の立ち位置なのだから、困ってしまう。


ハルヒが現実でない世界を認識するときがくるのかね?
キョンがハルヒに打ち明け話をしたというのも、ある意味、遅いけれども、
真実に近づくための着実な一歩です。

キョンがご都合主義な話をしていたときには、ハルヒが怒りを心の底に
溜めながら、笑っている二人がなんともシュール。

でもね、怒った後に気づいたと思うんだ。

キョンもいつの間にか、自分と同じ、宇宙人、未来人、超能力のいる世界を
求めているということに。
だから、店を出た後の、ハルヒの複雑な感情で、
そこから立ち去りたくないという気持ちを表現したんだと思うよ。

だけど、怒ってしまった手前、後にはひけないというのが、何ともハルヒらしい。
そんなハルヒを見て、少しホッとした感じのキョンの微笑が全てを物語っていますね。

やっぱり、ハルヒは見ていて、最高に面白いわ!



涼宮ハルヒの溜息・総括


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そんなこんなで、再放送も最終回を迎えて、サプライズは消失映画化となった。
なので、その映画に備えて、少し復習してみたいと思う。

てか、自分が忘れそうだから、備考録程度の雑記しか書けないけどね。

この「溜息」って、簡単にいえば、映画製作。素人の映画製作である。

ハルヒが言い出した、取ってつけたような思いつきから、キョンたちが振り回される
ストーリーで、オチも弱く、伏線だけばらまいて終わったというような印象の方々も
おられるだろう。

だけど、ハルヒの思いつきからのやる気を見て欲しい。
誰もが、駄作と感じた映画を見たら、自分が作った方がマシなモノが作れるとか、
一度は思ったことはあるだろう。

でも、大体の人が、高層に構想を重ねた末に、頭の中で集結してしまうのだ。
それは何故かって? 面倒だからだ。それと、自分の考えた構想を他人に
笑われたり、バカにされたりするのを恐れているせいでもある。


涼宮ハルヒの溜息1-3涼宮ハルヒの溜息1-4
つまり、ハルヒはやると決めた時の行動力が半端ない。
やる気はいつもフルボルテージ。
どんなものでもいいから仕上げて、披露したいという熱意が冷めないようである。

これは何事も中途半端に取り組んでしまう視聴者を勇気付けるものとなるし、
その情熱を見習いたいと思うもしれない。どんな作品であっても、
あきらめずに最後まで、徹夜で取り組む姿勢とか、本当すごいパワーだと思う。

だけど、その裏には、隠れた影が潜んでいる。
ハルヒのしたいことは、個人プレイではなくて、チームプレイなのだ。

だから、いつもハイテンションな彼女についていける人は少なく、
周りとの情熱のギャップから、ずれが生じてしまい、やる気のなさそうに見える
キョンやみくるちゃんはハルヒにやきもきしたり、迷惑千万と言った様子。

涼宮ハルヒの溜息1-5涼宮ハルヒの溜息1-7
そして、情熱は必ずしも伝染するものではない。

一人が楽しくて、頑張って、努力したとしても、周りがついていけないと、
そこで、物事はストップしてしまう。いわゆるスタンドプレイ。

別にハルヒは悪くないんだ。
ただ、この若い時に、色々と青春を謳歌するために、積極的に新しいことに、
取り組みたいだけなんだよね。

そして、それが不思議ちゃんだった中学生のように孤立した状態ではなく、
みんなと一緒に楽しんで、喜びを分かち合いたいだけなんだ。


だけど、それが上手ではないから、キョンがキレてしまう。

周りも自分も楽しめているはずなのに、一番信頼しているキョンなのに、
自分の行動を否定されてしまうことに対するハルヒの孤立感。

涼宮ハルヒの溜息1-6涼宮ハルヒの溜息1-8
そんなキョンとハルヒのすれ違い。

でも、性格というのは、すぐに直せるモノではないから、
落ち込んでいるハルヒが愛しいけれども、悲哀に満ちている姿は見たくない。

キョンもそういう気持ちから、簡単に許してしまうところが、
この二人の信頼の厚さの証でしょうね。付き離さないで付き合っていく姿勢。

今回の「溜息」だけでも、冷めた中で一人だけ情熱を傾ける危険性や、
自分が楽しいことが必ずしも人の楽しいことではない。
そして、一人でやるよりも、みんなで作り仕上げることでの喜びの共有。


そういったものが、垣間見えて、かなり満足のゆくシナリオでした。




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基本的に以前上げた記事と同じですが、若干リライトしています。
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