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カナンの孤独と憎しみによる葛藤と残酷な現実。


カナンの過去。
アルファルドを恨むようになった経緯。

大沢マリアからの失望、恐怖、落胆、拒絶、それらを一気に背負いながらも、
カナンは生きていくしかない。それはいつもの日常と変わらぬ風景。
いつもマリアは近くにいるわけではない。それを実感しないといけない。

期待や友情を失ったカナンとしては、大沢マリアの近くに寄ることが出来なくなった。

今のカナンとしては、大沢マリアを守るという役目から、
過去にあったシャムを殺された憎しみだけのために生きている。

青の色は敵の色。敵といいながらも、人間の色でもある。
とにかく、シャムが生きていく社会では、周りは敵、味方は自分達だけという状況。
シャムのことを、「1週間、シャワーを浴びていない薄茶色」というぐらいに、
冗談を言える間柄でもあり、いつでも緊迫したムードではなかった。

その仲間のシャムを、カナンは家族と呼んだ。
「家族とは幸せなものではないのか?」とマリアに前回問うた質問が、
ここで、シャムとの日々が幸せなものだったとわかる。

心だけでは物足りないから、タトゥーという、刺青を入れることで、
無理に家族の証とした。肉体的にもわかりやすいように。

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そんな大切に思っていた家族を失ってしまったカナン。

シャムはアルファルドに殺された。理由はわからない。
アルファルドは、ただのテロリストだと名乗っていたから、
たまたま巻き込まれたのかもしれない。

でも、シャムは言っていた。

「憎しみに憎しみに当たっても意味がない」
「憎しみは何も生み出さない」

カナンは憎しみに対する復讐劇の結末はひどいものだとわかっていた。
シャムからの言葉もカナンは実感していた。

だからこそ、大沢マリアという擬似家族(友達)と遊んでいるだけで十分だと思った。

だけど、そのマリアからは拒絶され、また独りになってしまったカナン。
その悲しみを、憎しみで忘れさせようとするカナンの行動。

「誰のせいで失った。誰のせいで失う」

マリアを失ったのは誰のせいでもない。
シャムを失ったのはアルファルドのせいだけど。
だけど、双子・弟を犠牲にして、心理的な面で、マリアとカナンの間を、
割こうと、アルファルドが画策していたとしたら…。

そう思うと、得たもの全てを失くしてしまうカナンとしては、「もう失いたくない」。

だから、元凶となっているアルファルドの暗殺をはかる。

それにしても、対テロ国際会議に、アルファルド=テロリストが出ている皮肉。
場所を突き止め、銃撃戦になるも、カナンは破れ逃走。

アルファルドとしては、憎しみに堕ちたカナンの姿が愛おしくてたまらないだろう。
シャムの言葉。「カナンは俺たちと違う」発言を気にしていたので、
シャムの発言とは裏腹に自分と同じ世界まで堕ちてきてくれたことに。

そして、アルファルドの言葉を借りるなら、「憎しみに堕ちる。泥のようだろう」。
這いずり回って、表の世界だけでなく、生きていくのが苦痛になるという、
ただの憎しみだけにかられた殺人兵器となってしまったカナンに少し同情。

カナンは肉体的にも、精神的にも、かなり追いやられています。

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一方、それに対して、結構、無邪気なマリアが笑える。

マリアとしては十分悩んだ。
でも、カニが彼女の心を明るくしたw。
食って大事ですねw。

彼女のこういう気持ちの切り替えが早くできる所は大好きですよ。

そして、決断。「怖がったことを傷ついたことを謝る」

「逃げない。大沢マリアはカナンの友達なんだから!」

今まで助けてくれたこと、カナンの事情、普通の女の子、色々考えました。
でも、拒絶してしまったことはカナンは気にしている。
傷つけてしまったことも知ってる。でも人を殺すようなカナンと付き合って、
普通の女の子と言えるだろうか?

そう考えもしたけど、自分はカメラという、武器ではないけど、
現実を瞬間的にとらえて、記録に残すことができる。カナンの姿を撮りたい。
だから、まずは拒絶したことについて謝りたい。
そして、もう一度、友達としてやり直したい。

そんな彼女の葛藤が、今回だけでも凝縮されていて、楽しめました。