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ついに、ストーリーは佳境へ。ユメミは非現実的な世界へ。


ついに、現実が非現実的な世界へと変貌を遂げます。その様子に、人々はただただ、困惑するばかり。惨状を見るに、死傷者も多数出ている事でしょう。その原因がどこに?天災なのか、人災なのかすらわからないままに、人々の困惑しきっている様子が目に浮かびます。

蜃気楼説にされた、浮島の件を思い出して、結び付けているのは、ユメミと、イチコとスズメだけ。だからこそ、世界を守るために、ユメミは動き出した。このままじゃ、地上界はまずいことになると知っているのでしょう。それはムントとつながったときに感じた危機感。

だけど、ムントは過去の心の痛みを知っている少女を巻き込みたくない。世界を選ぶか、一人の少女を選ぶかの究極の選択。だけど、ユメミの決心はもうついている。いつまでも、うじうじ悩んでいては、手遅れになってしまう。

ムントとしても、ユメミを極力巻き込まない方法で解決したいと思っているけど、彼の頭の中では、もうユメミにすがるしかない。それがムントのプライドが許さないのか、少女を救いたいという気持ちなのか。

もし、後者だとしたら、世界が破滅に至るなら、ユメミのことを心配する必要もなくなってくると思うんですが、そのことさえ、理解できないまま、困惑しているといったほうがいいかもしれません。

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ユメミ「行かなきゃ、私達の未来は消えちゃうの」
イチコ「一人じゃ無理だよ」

ここにユメミの決心と、イチコのやさしさが感じられます。強がってはいても、協力したいという気持ちで一杯なんでしょう。それほどまでに、ユメミに対しての友情を育んできた結果だともいえるので、この状況で、親友を見捨てない勇気はすごいと思う。

その勇気に応えて、必ず戻るということを約束するシーンは良かった。なにげない会話だけど、必ず戻って、また3人で遊び会おうという決意が感じられて、そんなに危険な場所にいくわけではないんだよ、必ず戻ると約束するよ、とイチコをなだめている感じが、とても好きです。

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ムント「オレたちが明日を望む限り、未来が閉じることなど決してない。オレたちがあきらめない限り、なにも終わりはしない」

結果的に、現実的には飛び降り自殺的なシーンだけど、ユメミが非現実的な世界を受け入れ、ムントに全幅の信頼を寄せることで、ムントもそれに応え、ユメミを落下から救うことで、それを証明してみせました。二人の絆がようやく結ばれた格好。

時空の空間が出来上がって、天上界と地上界のつながりができたと思えば良いのかな。ここら辺は難しくてわかんないや。

でも、いつのまにやら、ムントも「俺様」口調を止めて、命令形を使うことも泣く、「オレたち」という、ユメミを自分を同じ立場に置くような発言。ユメミに対しての、少しばかりの敬意が見えたようなシーンでした。

そして、ちょっと波紋を呼びそうなセリフなんですが、要は、ムントとユメミがあきらめない限り、世界は均衡を保って、より良い現実世界へと導いてくれるという、なんというセカイ系というわけなんですが、私はこういうの好きですよ。なんか自分が主人公みたいで、様々な可能性を秘めていて、夢があっていいじゃないですか。

だけど、違う考え方もできるんですよね。主人公はお前達じゃない。自分だ。という考え方。まあ、これを自己中というんですがね。周りを見るんではなく、自分だけを見ている自己欺瞞的な性格。自分さえ良ければいいという考え方。

それが、ユメミを狙う人たちの考え方なのだと思う。壊して、何もかもなくして、自分が頂点に立つ。そんな野望を持ち続ける人たち。ムントもその中の一人だったのかもしれないけど、ユメミに会ってからは、価値観や考え方が変わった。

救いたい、守りたい、平和に過ごしたいという考えで動いているムント側の人間と、それに対立する敵側との攻防が、今後のキーになってきそうで、楽しみです。