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ダブルブリッド (電撃文庫)
中村 恵里加
メディアワークス
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世界観

[SF][遺伝子][青春][アクション][恋愛][警察][怪]

あらすじ

特異遺伝因子保持生物―通称“怪”の血を受け継ぐ少女、片倉優樹はその力と銀髪から「白髪頭」と呼ばれ怖れられていた。ある日、特殊部隊『EAT』へ協力中、優樹は1人の人間の青年と出会う。青年の名は山崎太一朗。『EAT』の一員である太一朗の直情的な言動に最初は不安感を覚える優樹であったが、徐々に彼の飾らない性格に好意を抱くようになる。一方、片倉優樹を付け狙う甲種“怪”が1人。その人物、3年前殺人鬼として日本を騒がせた高橋幸児と優樹とは浅からぬ因縁があった…。第六回電撃ゲーム小説大賞「金賞」受賞のホラーファンタジー、登場。

短文感想(ネタバレなし)


人の内面を描かせたら、本当、出来が良すぎるほどに素晴らしい。確かに、これは電撃文庫の主力として挙げてもよいくらいに心理描写が上手すぎる。

切ない、悲しい、そういった感情を言葉には表さないけど、会話の節々から感じられて、ちょっと、ほろりとしてしまうほど。人とは違うけれど、感覚は人と同じ。そんな相容れない人と人ではない何かとの思いの差が上手く描ききれている。

警察という場に身をおきながらも、孤独と闘っていて、その孤独を癒してくれる存在を待ち焦がれている、ただの少女。そんな少女もが何年待ち続けても、孤独で居続ける寂しさ。そして、人と関わりあうごとに、最後は失望に変わるのだから、期待してはいけないと思ってしまう悲しさ。そういったものが救いようのない絶望感を表しているなー、と。

感想は、ただ、すごいとしか言いようがないけど、問題は、グロテスクだということなんですよね。それに耐性がある人でないと、本当、オススメできないです。今まで数々の小説を読んだけれど、ここまでグロテスクな描写は初めてかもしれない。奈須きのこ氏の「空の境界」や「DDD」も相当なものだったけど、それを上回るほどに。

なぜ、グロテスクと感じてしまったのかについては詳細は言えないけれど、この方の場面描写力が優れすぎているからかも。もう、簡単に頭の中でイメージ出来てしまうんですよね。脳内でアニメ化した感じで…、それが過激すぎて、これはマンガ化できてもアニメ化は無理というくらいに。

血が出たという描写でさえも、この方の生々しい書き方だけでも、ちょっと嗚咽が走ってしまうから不思議です。私自身、ミステリーは好きなんだけど、人の死というのをここまで詳細に書いてしまうと、ホラー小説に近いものがあるかもしれないので、そういったグロテスクな描写が苦手な私にとっては、ちょっとマイナスになってしまったかな。

でも、全体を通してみたら、本当、警察物としては優秀な出来なので、グロテスクが苦手でないならば、オススメしたい小説です。