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今回の話も泣けるなぁ。( ;∀;) イイハナシダナー


紫が五月雨荘にいることが九鳳院にばれた。真九郎にとっては、紫を守るというのは、大きい仕事、認めてもらいたいという気持ちもある。でも、自分より絶対的に強大な力を持つ勢力に対抗する力は持っていない。九鳳院を「得体の知れないもの」と言っていることからも、真九郎に渡っている情報も少ないのかも。

で、今回明らかになった九鳳院の秘密。家系図に紫の名前が載っていないのは、紫は世間に公表されない、一生外に出れない九鳳院のしきたりによるもの。6年後、13歳になったら、奥の院に入れられ、自分の兄弟と結婚させられ、子供を生む。それで終わり。九鳳院は今風に言えば、「女は産む機械」としかとらえていないんですね。

それでもって、妻になることも許されず、男は外の女と結婚する。紫との間に出来たその子を外の女の子として育てる。外の女はどう見ても、財産目当てですね。

「紫は生まれた瞬間から、存在しない女」

で、紫の本当の母親から、紅花への依頼で、紫を外に出した。紫の自由を守るために、九鳳院の呪縛から解き放つために。

「俺は紫を守る」

真九郎の1回目の宣言。紅花に対しての、宣言です。そんな紫の境遇を聞いて、自分の力ではかなわないかも知れないけど、守らなきゃいけない存在として、熱い気持ちになったのかも。

「人は生きていく過程でたくさんの選択をしなくてはいけない。その選択が正しいのか、間違っているのかは誰にもわからない。だから、人は自ら選択したことを正しいものにしていくんだろうね」
「前向きに生きるってことですか」
「後ろには何もないからね」

選択の自由。人は生まれたときから、自分で選ぶことができる権利を持っている。それが正しいのか間違っているのか、色々選択の機会を与えられて、経験して、正しい道を自分で決めていくもの。

そんな自由さえも、持たない九鳳院にとっても、選択の機会が最初にあって、その最初に決めたしきたり(子供に選択させない)が正しいと思って、そのしきたりをずっと守ってきて、間違いと思わないまま、現在に至るんだろうねぇ。

そんな深刻な事態で、シリアスな雰囲気の前半とはうって変わって、後半はじめの五月雨荘のみんなとの焼肉パーティーのユーモアさに笑えた。

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「霜降りって肉、これが一番おいしいらしいんですけど、なんか、油ばっかだ。だまされたのかな?」
「半分以上白いぞ」
「少年だまされたのだよ」
「そうそう、ひどい肉だねぇ」
「やっぱ、そうなんだ。ちっ、いつも俺が安い肉しか買わなかったら」
「残念!」
「高い肉だったのにな」

このやり取り、大好きだなぁ。10回くらい繰り返して見てしまいましたよww。

食に関しての知識が少ない真九郎と、知っていることと知らないことの差が激しすぎる紫と、それを利用して、良い肉を自分たちだけで食べようと企む、環と闇絵。

そんなこと考えていると真九郎と紫は思わず、「二人は赤い肉を食べてください」「体に悪いぞ」と、安い肉のほうを薦める。そりゃ真九郎と紫にとっては、環や闇絵との最後の晩餐会なので、二人に恩返しをしたいと言う気持ちから、こういうセリフになっているので、なんか明るいシーンなのに、ちょっと切ないなぁ。

でも、霜降りが出てくる前の環のセリフ「レアがいいなら、もっと良い肉にしないと」→霜降りを紫が焼いている時のセリフ「焼きすぎちゃだめよ」で、真九郎は気づいちゃったわけだけどww。結局、霜降りはみんなで平等に食べたのかな。

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「なんか、恐いな。でも、紫は泣かない。母のようになりたくないから」
「お母さん」
「私を生んでくれた本当の母だ。とても優しかったが、弱い人だった」
「だから、死んだ」
「紫」
「紫をおいて死んでしまった。母のように死にたくない」

第6回の環との会話で、「歌を歌っているときの母がいつも笑顔で、穏やかだった」と話しているときの紫も笑顔で、母親を愛しているような発言をしているだけに、ちょっと、このセリフはショック。

紫にとって、九鳳院を出ていくような強さを持たない「弱い人」にはなりたくない。優しくても穏やかでも、弱いと、この世界で生きていくのは難しいと感じてしまった、紫の心境に、とても可愛そうな気持ちを持ちました。なんていうか、この社会は、弱肉強食みたいな。

「もっともっと…、もっと自由に生きたい」

でも、そんな紫でも、自分には希望がある。と、この発言。選択の自由が与えられ、自分で決められることの出来る人間になって生きたいというセリフ。

そんな紫と真九郎は過去との戦い。真九郎はテロ。紫は母親をなくしたけど、これは忘れられない過去として受け止めていく。「強さとは関係ない」と言い切った紫が頼もしく見えます。

「紫の愛した人はもういない」
「紫も真九郎も独りになった。でも、紫は真九郎に出会えた。一緒にいれば二人だ。だからもう寂しくない」

だんだん紫と真九郎の親密度が上がっていっているわけだけど、今回は告白からキスまで。ちょっとこれ以上先はないでしょうww。寂しさを持つもの同士が支えあって生きていく、なんか素晴らしいですね。

「紫、俺がお前を守る」

それで、紫の前でも宣言。この言葉が、この作品の趣旨でしょうね。今度は、真九郎が強くなるという目的よりも、紫に対しての憐憫や好意からきた言葉なのかも。

ここで、紅花と九鳳院の頭(?)との対話。「九鳳院の守りは崩せない」。守りというのは九鳳院のしきたりと考えてよいのかな。それを、「変わる。私の弟子と一緒に変わる」と言ったのは、そんなしきたりをはねのけて、二人は強くなっていくという確信を紅花は持っているのかな。

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そして、九鳳院からの刺客がおくられ、弥生や真九郎はとらえられる。そんな真九郎を前にして、紫の兄、つまりは、九鳳院流ならば、紫の結婚相手(これを結婚と言うかどうかはわからないけど)を紹介することに。

それで、紫に奥の院に戻るかの選択を強いる兄。兄にとっては、選択を与えたということで満足なんだろうけど、「答え方次第であの男の命は…」と脅された状況での選択。こんな選択は、自由な選択じゃない。でも、自らの人生よりも真九郎を思って、「紫は奥の院に戻ります」と弱気な感じで回答。

今回の話で、2度も自分が守ると決めた真九郎にとっては、目の前で、紫がつれられていく姿を見るのはかなりつらかったように思います。

「楽しかったぞ」

このセリフで号泣ですよ。・゚・(ノД`)・゚・。 うえええん
もうあきらめて、奥の院での閉じ込められた人生を受け入れて、今まで真九郎と過ごした日々が思い出となって、よみがえってきたのでしょう。この決意の後ろ向きさがかわいそうです。

だんだん、ストーリーが進んで面白く(切なく)なってきた展開で、次回、どうなるんでしょうか。予想できないストーリーが楽しみです。