世界観
[旅][ヒッチハイク][青春][シリアス]
あらすじ
18の夏、憧れ続けた兄貴の背中を追いかけて、僕は何もかもを放りだして街を出た。兄貴の残した年代物のキャデラックに免許証。抜けるような青空。旅の相棒は、謎の美女・杏子ちゃん…。個性溢れるヒッチハイカー達の物語。
印象に残った言葉
「お兄ちゃんを超えた気になった。普段から抱いている劣等感を、そっくり優越感に置き換えてしまったのだと思う」―――彰二
東大卒業の兄を持つ弟の劣等感がいつもつきまとっている彰二。その劣等感を克服することができるか。
短文感想(ネタバレなし)
内容としては、とてもわかりやすく、読みやすい。そして、言葉ひとつひとつに対して、感情移入しやすく、想像しやすい。主人公の長旅を一冊にまとめて、さくさくと読め、自分自身も旅をしているように感じる。それでいて、若さ故の過ちや、人と人との結びつきなど、青春小説としてうまくまとまっている。
ただ、少し内容としては薄いのが気になったくらい。