世界観
[日常][恋愛][病気][友情]
あらすじ
過疎化が進む小さな島の女子高生・西表耶麻子(いりおもてやまこ)の悩みは、大好きな同級生に告白できずにいること。何度も何度も書き直したラブレターはまたしても、ポケットの中で賞味期限切れ。おまけにそのラブレターの存在を、乱暴ものでややコワモテの苦手な先輩に知られてしまい…。現役男子高校生がつづった純愛小説。
印象に残った言葉
「幸福は――喜びは――奇跡は――どこにでも、本当に探せばどこにでも、あるんだな、って、思った。些細で些末でどうでもいい、しかし確実にある幸せ」―――西表耶麻子
短文感想(ネタバレなし)
個人的に直球ど真ん中。マジ最高でした。世界観も好きなんですが、主人公の耶麻子と、優しくない先輩。この二人の微妙な関係が、また、切なく感じ、耶麻子の感情がうまく言い表せています。
日常のちょっとした恋愛話をこれほどまで、楽しく切なく明るく、時に悲しいストーリーに仕上げたこの作品が素晴らしいです。
そして、病弱でありながらも、常にポジティブで純粋な女の子、耶麻子。その耶麻子の感情や表現の例え方が秀逸です。耶麻子の例えだけでもお腹一杯です。ページ数が少ないにも関わらず、それを感じさせないストーリー。もう、日日日作品大好きです。
短文感想(ネタバレあり)
その二人の友情話だけでも、本当に泣けます。耶麻子は友達は他にもいるけど、喜久子は友達がいないという。でも、それほど一緒にいなくても、友情が深まって、最後には面会に来た唯一の友達となっている。
最後では、耶麻子は喜久子に嫉妬して、喜久子はそれを受け止めて、耶麻子としては満足な終わり方をしたのかもしれません。
そして、タイトルにある「私の優しくない先輩」は、耶麻子への気持ちを声に出さないけど、一度、ぽつりと言った感情「この俺様を好きになりやがれ」が格好良すぎです。男性版ツンデレでしょうかww?
ラストは美しく終わった。ハッピーエンドなのかわからないけど、耶麻子が幸せだと思ったら、ハッピーエンドなのだろう。
強いて言えば、ページ数を多くして、ストーリーに厚みを持たせれば良かったかな。でも、この厚さが適性だと思うしな〜。