空とタマ―Autumn Sky,Spring Fly (富士見ミステリー文庫)
鈴木 大輔
富士見書房
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世界観

[日常][心理戦][ほのぼの][秘密]

あらすじ

傷つきやすい少年と少女の一晩のものがたり
家出をした俺は、いつもの廃墟倉庫に向かった。しかし、その日は様子が違ってた。上階に誰かがいる……人気歌手・青井春子などと騙るそいつは俺の行動に難癖をつけてくる。かくして俺と彼女の攻防戦がはじまった

印象に残った言葉


「………」―――タマ

短文感想(ネタバレなし)

前半の顔もわからない相手へのケンカ、秘密のさぐり合いは結構楽しめます。ただ、途中からガラリと変わってストーリーに残念。

短文感想(ネタバレあり)


最初の100ページまでは楽しめました。タマが何者なのか作戦を考える空。推理小説風に一問一答を繰り返す所なんて、結構頭を使って楽しめるんではないでしょうか。

ただ、20Pにも渡る不幸を語る空の部分、長すぎます。とにかく、複雑にしようと詰め込みすぎて、理解しかねる所もあり、感情移入より先に今までの展開をしらけさせてしまったように感じます。

最後はタマが金のための音楽と論点がずれてしまった結論にも少しガッカリです。タマが青井春子というオチは良かったと思います。心理戦の「回答不能」にも説明が付くしね。

空の独白後のタマの人格の豹変ぶりが…。大文字で「がんばれっ」って…。ちょっと萎えました。