猫泥棒と木曜日のキッチン
橋本 紡
メディアワークス
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世界観

[青春][ほのぼの][日常][感動]

あらすじ

お母さんが家出した。あっさりとわたしたちを捨てた―。残されたわたしは、だからといって少しも困ったりはしなかった。サッカーを奪われた健一くん、将来女たらしになるであろう美少年の弟コウちゃん。…ちょっとおかしいかもしれないが、それがわたしの新しい家族。壊れてしまったからこそ作り直した、大切なものなのだ。ちょうどそのころ、道路の脇であるものを見つけて―。

印象に残った言葉


「その小さな命は、やっぱりとても軽かった。命が重いなんて嘘だ。こんなに軽い。まるでなにも持っていないみたいだ」―――みずき

短文感想(ネタバレなし)

橋本紡は10代から見た視点をうまく描写している。ほんと素晴らしい。本の内容も猫が中心で、猫好きにはたまらない内容。子供は弱そうに見えて、強い面もある、そんな印象を残すような感動作です。

短文感想(ネタバレなし)


段ボールに入った地獄絵のような子猫。その中で生き残った一匹の子猫。その青い目をした子猫をなんとかして救い出したいというみずきの純粋な気持ちが、ダイレクトに伝わってきました。

子猫の墓標を立てて、哀れむだけでなく、猫屋敷に乗り込んで、猫泥棒を働くという大胆不敵な行動に出る決意や行動力にも感嘆です。

その猫たちを堂々と家で飼っているんだからね。でも、お母さんが帰ってきた後に、言った一言。「猫の不妊手術ねぇ。しなくていいじゃない。」には、みずきがせっかく猫をさらった理由を否定するような発言。それには、猫おばさんを含めた大人は先を考えていない。子供の方がしっかりしている場合もある。強いという表現が正しいかどうかわからないけど、そんな事を感じさせる一文でした。

少しほのぼのしすぎて、展開がゆるーい感じで進んでしまったことが難点。まあ、その分、最後の猫泥棒の所は急展開で良かったけどね。