講談社
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世界観
[推理][アクション][シリアス][エンターテイメント]
あらすじ
「…具体的に、あなたは何の研究をしているのですか?木賀峰助教授」「死なない研究―ですよ」
永遠に生き続ける少女、円朽葉をめぐる奇怪極まりない研究のモニターに誘われた“戯言遣い”こと「ぼく」は、骨董アパートの住人・紫木一姫と春日井春日とともに京都北部に位置する診療所跡を訪れる―が、そこに待ち受けていたのは凄絶な「運命」そのものだった!“一人で二人の匂宮兄妹”―“殺し名”第一位の「匂宮」が満を持して登場する、これぞ白熱の新青春エンタ。戯言シリーズ。
印象に残った言葉
宝くじの一等に当選しました。「何を買いますか?」「宝くじ」−−西尾維新
短文感想(ネタバレなし)
この作品は推理小説と思って読んでみると、面食らうことになる。
というのは、推理に重点を置いているわけでなく、”死”というものについて、実践を通して実感する。どういうものが死ぬと言うことで、生きているけど、死んでいる、死んでいるけど、生きている、そんな矛盾点について、描かれている作品です。
作品の登場人物が、まず少ない。新たに登場するのは、木賀峰助教授と匂宮兄弟と後1名という点で、ストーリーの焦点が匂宮兄弟の”殺し”について当たっている事が大きい。
今までの戯言シリーズとは、また違った一面を見せてくれたが、推理小説としては、少し物足りなさを感じてしまうのは否めない。
短文感想(ネタバレあり)
なので、犯人は、殺された誰かになるだろうとは予測していたが、一人で二人の二重人格の匂宮兄弟が、最終的に2人とも別人だったという推理では、最初からわかっていたオチだったので、ひどく落胆してしまった。
まあ、推理小説としては、あまり好ましくないオチだったが、姫ちゃんに対するいーちゃんの思いや、姫ちゃんが殺してきたという倫理上の問題について、詳しく取り扱っていたので、哲学書として読む分には良いのかも知れない。